『 偶然 』
夏から秋へと変わるものの、
太陽の日差しは変わらず刺す様な強い日差しがあるが、
咲き乱れていたヒマワリは首を下ろし、
時折吹く風は涼しくなり始め出すと
夏休みから新学期へと変わり、毎日学校生活が始まった。
「おはよう!」
後ろから声をかけられ、隣に人が立つ気配を感じ首を動かすと
高く結われた髪が視界に入り、
「おはよう、朋」
相手の笑顔に釣られる様に微笑みながら挨拶を返し、
他愛もない話をしながら校門を潜り、下駄箱へと辿り着く。
クラス別に分かれているので、離れるものの、
どちらか早く履き替えれば、相手を待ち、自分のクラスへと歩いて行く。
「あ、そうだ。
コレなんだけど・・」
思い出した様にカバンの中から取り出し、へと見せ
「夏休みに弟達にせがまれて作ったの」
3人、お揃いなのよ。
手渡れたモノを見れば、
毛糸で編まれているぬいぐるみだった。
「ありがとう。
大事にするね」
手渡され、手触りに満足したのか制服のポケットへと入れると
教室に着いた朋香に手を挙げ別れ、自分の教室へと入って行く。
クラスメートの話し声を聞きながら席に座り、
提出物などを引き出しの中へ入れ、最後に取り出した小説を読み始める。
予鈴が鳴り、賑やかだった教室が静かになり担任の入室すると、
静かだった教室に担任の声が響き、2,3話が終わると体育館へと移動となった。
窓という窓を開けられているが、全校生徒が集まり、
教頭のマイクを通る声で始業式が始まった。
教頭の挨拶、
夏休み中にあった各部活の大会の表彰。
そして、舞台に上がった校長の話
生徒会長の2学期の行事日程など今後の話
長い始業式が再び教頭の言葉で終わり、
最高学年である3年から退場になる。
「不二、なに持ってんのぉ?」
先ほどまで、何も持っていなかったはずの手には
茶色いぬいぐるみを持っており、言葉をかければ
「僕が座る所に落ちてたんだ」
菊丸の言葉に、手に持っていたぬいぐるいに視線を落すが、
直ぐに上を向き
「誰かの落し物だろうから、
あとで職員室に持っていくよ」
言葉が終わらないうちにポケットへ仕舞い、
急いで退出を促す言葉を聞きながら、体育館を後にした。
半時程して体育館から教室へと帰り、自分の席に付いた時、
自分のポケットが軽くなっている事に気が付いた。
どうしよう・・・・
どこで、落としたんだろう・・・・
担任の提出物の指示を聞きながらも、
落としてしまったぬいぐるみの事を考える。
教室にいた時はあった。
だとしたら、体育館か廊下に落ちているはず・・・
貰ったばかりのぬいぐるみを落としてしまい、
朋香に申し訳なさを感じ、誤りに行く前に探しに行く事にした。
が、始業式後には防災訓練があり、
中々探しに行く時間が見付からずイライラする中、
消防士の話を聞き終えると終了となり、
砂の付いた上靴を拭き下を見ながら教室へと戻る。
ない・・・
やっぱり体育館なのかなぁ・・・
再び戻った教室で、
担任の話が続いたが耳には入らず、終了の礼をすると
足早に体育館へと歩いた。
廊下の隅を見ながら着いた体育館も落ちている形跡は無く、
ため息を落とし、テニスコートにいる朋香の元へと向かった。
「ごめんなさい」
クラスメイトでもある越前を見ていた、朋香に誤り頭を下げる
「いいよ!
また作るから。ね!」
頭を下げるに手を振り笑顔で言うが
「もう少し探してみる」
諦め切れないが駆け出し、テニスコートを後にすると
2人のやり取りを見ていた者が朋香に声をかけた。
「なにかあったのかい?」
「川村先輩、大石先輩・・」
実は・・・
から聞いた言葉を、朋香から川村と大石へと伝わり、
大石から、レギュラーへと伝わると
「ふーん、
だから、ソワソワしてたんだ」
同じクラスの越前の言葉に以外そうな表情をした、
菊丸・桃城に大石からの注意される中
「もしかしてコレかなぁ?」
棚に仕舞ってある制服の上に置かれたぬいぐるみを取り出し、
話を持ってきた川村に見せると
「見せて貰ったぬいぐるみにソックリだけど、
いったいどうしたんだい?」
不思議そうに向けけられる言葉に
「体育館で拾ったんだ」
変わらない笑みの言葉に、
「ちゃんに返してあげなきゃね」
大石からの注意が終わったのか、菊丸の言葉に
不二は頷き、外に居るであろうの元へ向かった。
秋になったと言え、日が短くなっているので、
テニス部の部活時間が終わる頃には茜色へとなった空の下、
再び朋香に誤る元に不二が近寄り声をかけた。
「ちゃん」
落ち込んだ表情のの元に不二の声が届き、
朋香から不二へと視線を動かす。
「はい、コレ」
視線に合わせた場所に出された茶色いぬいぐるに、
理解が出来ず、言葉を失ってると
「落としたって、タカさんから聞いたんだ。
ごめんね、もっと早く渡せれば良かったんだけど、
持ち主が解らなくて・・・」
苦笑する不二に、ゆっくりと首を振り
「いえ、ありがとうございます」
ゆっくりと礼と共に頭を下げ、
差し出されているぬいぐるみに手を伸ばした。
「いったいどこで・・・」
再び手触りを楽しんだ後、漏れる言葉に
「始業式の時にね。
ちょうど、僕の場所に落ちていたんだ」
「そうだったんですか・・・」
零れた言葉に、答えを返すと微笑みながら頷き
再び礼を言い、待っていくれている朋香の元へ歩いた。
「偶然、て、あるんだね」
帰り道、戻ってきたぬいぐるみをカバンの中に入れ
朝同様に他愛の無い話をしていると朋香の言葉が作られた。
始まりの雰囲気から一変
明日からの授業へと変わる。
またね
と、別れる前に不二と交わした挨拶は
数十時間後の未来を予測している言葉だった。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
不二と恋する1週間(仮)
第2話目は『 偶然 』でした。
すっかりこの題を忘れて次のネタを考えていたので大慌てで考えましたよ・・
初めて背景を決め手からのネタでした。
あみぐるみは背景からきてます。